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の赤い道 



「プリンスエドワード島は、この世でいちばん美しいと聞いていたから、住んでみたらどんな感じか、
想像していたけれど、本当に住むとは考えてみなかったの。夢が実現するってすてきなことね。
でも、ここの道は、赤くて珍しいわ。シャーロットタウンで汽車に乗ったら、窓の外を赤い道が
通りすぎていくから、どうして赤いのって、スペンサーのおばさんに聞いたんだけど、そんなことは
知らないし、それに、お願いだから、もう金輪際、質問しないでって言われたわ。
今朝から1000回は質問したって言うの。確かにそれくらい聞いたけど、分からないことは人に
聞かないと、いつまでたっても分からないでしょう?ねえ、この道はどうして赤いの?」

「そうさな、わしは分からんな」マシューは言った。 

(赤い道・・・土壌に二酸化鉄が含まれるため、プリンスエドワード島の土は、酸化した鉄の錆色のように赤く
 見える。島の先住民族ミック・マック・インディアンの伝説では、民族の神グルスキャッブが、夕焼け空に
 筆を浸し、島を染めたとされる。)

                                         

《松本侑子先生 翻訳「赤毛のアン」より》




PEIにはヘリテージロードと呼ばれる古い赤い道が残っています。
段々舗装された道が増えて来ては居ますが、未だに赤い舗装されていない道を見ると   
嬉しくなります。この赤い道を見るとPEIに居るのだと実感できる気がするからです。
まっすぐに繋がって伸びている赤い道を見ると心がワクワクするのを抑えることが出来ません。  
PEIに行く度に赤い道を求めて車を走らせる私がいます。

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