飛行機の中の機内食はいつもほとんど同じだ。飽きてしまうが何も食べないわけにもいかず、口にする。
機内では映画が何本か放映されていたが、降りる直前まで観ていた、シャーリーズ・セロンとキアヌー・
リーブスの「スウィート・ノベンバー」は泣けて泣けて目が赤くなってしまって、そんな目で飛行機を降りる
はめになってしまった。
トロントを出発したのは数時間遅れだったが、成田にはほぼ定刻に着いた。
荷物を引き取り、チェックアウトして空港の中に入って荷物をクロネコに頼む。
すっかり現実の生活に戻らされてしまう感じがした。もう全て旅は終わってしまった・・・。
Ｓさんともここでお別れだ。最後に抱き合って、「ありがとう」と言うのが精一杯で胸が詰まってしまった。
それぞれのリムジンパスに乗り込むため、お別れした。
バスの中からぼんやり外を眺めている間にどんどん日は暮れてますます気持ちは淋しくなってしまった。
心は半分ＰＥＩに残して来てしまった、残りの半分をまた取り戻しに帰らなくては…。
そんな事を考えながら家路に向かった。
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