昨夜もイマイチ熟睡とまではいかなかった。まだ時差の影響が
残っているらしい。
そんな明け方枕もとの携帯が鳴った。まだ起き出す時間では
なかったのであわてて出たら夫からだった。「もしもし・・・」
と寝ぼけ声で出た私の声を聞いて
「あ、ごめん、寝てた?」
「だってまだ5時前よ」
「あ、そうか、悪いね。ところで選挙の投票用紙どこに
置いたかな?」
「あら!どこに置いたかしら?全然記憶が無いわ」
「そうか、じゃ、いいや。今回は俺もパスするわ」
「そうね、しょうがないわね。じゃ、オヤスミ」
と電話を切ってから考えてみた。投票用紙が送られて来たのは
間違いない。
その封筒を見た記憶がはっきりあったから。でも、その後のことが
全く記憶が無い。
今回の選挙は私も行く暇が無かったので棄権してしまった。そしてその用紙を
夫に渡すことも忘れて旅に出てしまったのだ。ツアーの方達は真面目な方ばかりで
不在者投票を済ませて来たと言う方ばかりだった。
ごめんなさい、女性に投票権を与えるために紛争して下さった先人の方達、と
心の中で思った。
朝は7時から朝食がOKということで1時間以上前に起き出し食事の前に散歩に
出かけた。湖の方へぶらぶらと行ってみたがお天気がとても良くて湖面がキラキラ
輝いていて「赤毛のアン」の輝く湖水のようだった。空気は澄んでいてちょっと
寒いくらいの気温だった。
ホテルの裏庭に入ってみたが本当に大きなホテルでびっくりした。表からは
こんなに大きなホテルとは分からない。
ダイニングルームに行くとまだ結構早めの時間帯だったのにツアーのお仲間が
もう食事を始めていた。
今朝のメニューはびっくりするくらい大きなシイタケ、と思ったらちゃんと別に
名前があるキノコらしい。それに大きなウィンナソーセージにベーコン、
スクランブルエッグに焼きトマト。パンとジュース、フルーツ、ヨーグルトは自由に
取れるバイキング方式だ。このシイタケのオバケみたいなキノコが案外美味しくて
ちょっと意外だった。
食後、出発するまでに時間があったので湖とは反対のストリートの方へ
初めて行ってみた。途中で会ったお仲間に聞くとピーターラビットのグッズが
売っているお店がもう開いていて見られると言うので急いで行ってみた。
可愛いグッズが沢山売っていたが今日回る場所にもショップはあると
言うのでただ見るだけにした。
バスに乗っていよいよ出発!昨日はバスの前から2番目、侑子先生の
後ろの席を陣取ったので今日は後ろの方に座ったが、後ろだと二つの
席を一人でゆうゆうと占領出来るので荷物も楽々置けるし思ったより
快適だった。
バスは緑あふれる湖水地方の草原の中を走り続けホークスヘッドに到着。
ここにはビアトリクス・ポターのギャラリーがある。元々その建物はポターの
ご主人の弁護士事務所だったものだ。
建物に入ってみてまず驚いたのが一つ一つのお部屋がとても狭いことと
天井がとても低いこと。小柄の私でも頭をぶつけそうで圧迫感があるのに
ポターもご主人も大丈夫だったのだろうか?
館内のお部屋の一つ一つがポターの作品のギャラリーになっていた。
原画はとても小さく精密な芸術品でポターが心を込めてひと筆ひと筆
描いたのだろうと思った。
ポターが描いた原画を自分の目で見る日が来ようとは想像もしていなかった。
それからランチまで時間があったのでショップを散策した。そんな中で買うのに
迷ったモノがあった。それは「ピーターラビット」の23巻の朗読が吹きこまれている
CDのセットでCDのケースもとても可愛くて心がそそられたし、何よりセール品に
なっていて金額がとても安くなっていたのだ。本のセットは前に日本で買ってあったし
やはりこの朗読のCDは欲しい!と思い結局ゲット!きっと買わなかったら後悔
していたと思う。
それからランチタイム。そこは小さなレストランだったがテーブルセッティングも
可愛く、一部屋全部でツアーのお仲間がいっぱいいっぱいという感じだった。
ランチも満腹になったが最後にアイスクリームを好きな種類を選ぶことが
出来ると言うサービス付きだった。私はミントチョコを選んだがとても美味しくて
満足した。
ランチも終わり、いよいよピーターラビットの絵本にもよく描かれているHill Top に
向かった。ここはポターが住んでいたところでこの農場が舞台になった
ピーターラビットシリーズの本も多い。ポター結婚後はこのHill Top 農場は
ポターの書斎兼仕事場として使われていて今は当時の家具や人形などが
陳列されている。
農場は色とりどりの花が咲く花壇があり、その花畑の脇の細い坂道を
上って行くと小さな建物が見えて来た。その玄関先で撮ったポターの写真は
前にも見たことがあったが、その同じ場所で記念写真を撮る機会が来ようとは
思わなかった。館内の案内係の女性と一緒に記念写真を撮った。
建物の中はホントにこじんまりとしていて質素な生活ぶりがうかがわれる
感じだった。ポターの経済力をもってすれば豪邸に住むことも十分可能
だったと思うがポターは全くそんな気持ちは持っていなかったのだろう。
お金は全て湖水地方を守る為に使ったのだろうと思われた。
2階の一つのお部屋には大きな油絵が数点飾られていた。それはポターの
弟が描いたものだそうだ。誰の絵か尋ねた侑子先生も初めて知ったと
仰って驚いていた。姉弟とも、絵の才能があったと言うことなのだろう。
バス出発まで少しの自由時間があったのでガイドのH・Mさんが
一番美しく見える場所があるというので侑子先生と数人で着いて行った。
ちょっと坂道を上って行った。この辺りから見るのが美しいですよ、と
教えてくれたが結構高い石垣があって私の背の高さでは写真を
撮るのが難しかった。必死で石垣によじ登って撮っていたらH・Mさんが
後ろから背中を支えてくれた。お陰でどうにか数枚写真を撮ることが出来た。
さて、バスに戻りそこから今度はイギリスの有名な詩人、ワーズワースが
晩年亡くなるまで37年間過ごした家、ライダル・マウントへ向かった。
館内にはワーズワースがいつも座っていたという椅子が大きなガラス窓の前に
置かれていた。そこから毎日美しい景色を楽しんでいたのだろう。
二階には妹の寝室もあったが、置かれてあったベッドのその
あまりの小ささに驚いた。まるで子供のベッドの大きさだ。これでは仮眠を
とることさえ難しいのでは?と思った。
建物は高い丘の上に建っている感じで広いお庭が下の方になだらかに
広がっている。その庭はワーズワース自身がデザインしたそうだ。
その庭を下って行くと綺麗に湖が見える所がありますよ、とガイドの
H・Mさんが教えてくれたのでまた着いて行ってみた。
侑子先生が猛ダッシュで下りて行くので私達も必死に着いて行ってみた。
木立の間から綺麗に湖が見えた。
そこから今日の締めくくり、「ウィンダミア・レイク・クルーズ」だ。
船で雄大な景色を堪能しながら対岸にあるホテルまで戻るという贅沢な
クルーズだ。爽やかな風を受けながら周りの景色を堪能した。
約35分で対岸に到着した。私達が泊まっているホテルがすぐ目の前に
近づいて来る感じだった。
このクルーズは侑子先生が湖で水遊びをするイメージで是非取り入れたいと
申し込まれたそうで、湖水地方のツアーでもそこまで組み込まれているツアーは
他には無いだろうと思った。感謝、感謝です!
船を降りてホテルに戻った。今夜の夕食はフリーなのでどこで食べようかと
街に出て探してみた。パブのような所が多く、迷っていたらスーパーが
目に入ったので面白半分に覗いてみることにした。小さなスーパーだったが
サラダもサンドイッチもあったので、「こんなので済ませてもいいわね」と
話していたら隣でもツアーのお仲間が同じようにお買い物をしていた。
どうせなら一緒にホテルで食べましょうか、と言うことになり一緒に買った。
スーパーでもう一人、一人でツアーに参加されているTさんも居たので
誘って5人で一緒に食べることになった。
誰のお部屋がいいか、と言うことになりそれぞれのお部屋を見てKさん、
Tさんのお部屋が広くて良いと言うことになり一部屋に5人が集まった。
それぞれ持ち寄った食料で楽しくお喋りしながら食べた。
お喋りが一番のご馳走のようだった。とても楽しい晩餐だった。
ただ、一つとても残念だったのが写真を撮るのをすっかり忘れて
しまったことだ。わざわざ自分の部屋までデジカメを取りに戻ったと言うのに!
すっかり時間を忘れて夢中でお喋りしていて気付いたら9時半を過ぎて
いたので慌ててお礼を言って退室することにした。
部屋に戻りお風呂に入ったらぬるいお湯しか出なくてがっかりだった。
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